テープ起こしって?
わたしは今、在宅ワークでテープ起こしのお仕事をしています。
どんなお仕事かというと、
インタビューや講演会、会議など、
さまざまな分野で録音された音声を文章に書き起こし、原稿を作成します。
昔は手書きで原稿用紙に書き起こしていたようですが、
今はパソコンのワープロソフトで入力するのがほとんどです。
え? 簡単な感じがしますか? 実はこれが、もぅ、こつこつ、こつこつ、地道な作業です。
ただ単に聞こえたままを入力すればいいわけではなく、
用字・用例に沿った表記の使い分け や、
依頼者側の要望に沿った文体に仕上げていきます。
録音が聞き取りづらい場合は、何度も何度も粘り強く聞き直します。
内容が複数の話者による場合は、聞き分けを求められたり、
専門的な内容の場合は、
インターネットや文献などで徹底的に調べ上げるような作業も伴います。
「呼び方」は
テープ起こし のほかに
テープリライト
テープライティング
反訳
トランスクライブ
パソコン速記 などがあります。
「録音媒体」は
カセットテープ のほかに
ビデオテープ
CD・MD・DVD
ICレコーダー(音声ファイル) などがあります。
「用字・用例に沿った表記の使い分け」というのは
例えば、
「このようけんにかかわるよさんについては、あすのかいぎで、りつあんのしゅしをふまえた・・・・・・」
と聞こえたとします。
これを、漢字を含めた文章にすると、
「この要件に関わる予算については、明日の会議で、立案の主旨を踏まえた・・・・・・」
というのが一般的じゃないかと思います。
でも、自治体などの議事録では、
「この要件にかかわる予算については、あすの会議で、立案の趣旨を踏まえた・・・・・・」
となったりします。
使用している漢字やひらがなの使い分けに違いがあるのがわかると思います。
↑の場合の「要件」という言葉は、「用件」と表記するのは間違いです。
ほかに、
止める や 停める は 「とめる」 という表記
代わる や 替わる は 「かわる」 という表記で統一したりします。
また、
「「セロハンテープではる」の はる は 「貼る」 ではなくて 「張る」 と表記したりもします。
そういった細かな決まり事がたくさんあるのです。
そして、その決まり事は、依頼者によってさまざまだったりします。
1つの文章の中で表記にばらつきが生ずることのないように、
使用する表記辞書が指定されたり、
企業などによっては、用字・用例集というのが作成してあって、
それに沿って原稿を作成したりします。
「依頼者側の要望に沿った文体に仕上げる」というのは
聞こえた発言を一語一句漏らさずに起こすことを、
「逐語記録」とか「素起こし」といったりします。
それに対して、文章の体裁を整えて読みやすくすることを、
一般的に「整文」と呼んだりしています。
整文の代表的なものに 「ケバ取り」 があります。
ケバ というのは、
「あ~」 とか 「えー」なんていう、あまり意味のない口癖のような語句をいいます。
有名な方の例でいうと、田中角栄さんの「まあ~そのぉー」っていうやつですね。
長嶋監督でいえば「いわゆるですねぇ」とか。
そういうものを取り除いてしまってすっきりとした文章にすることを ケバ取り というのです。
ほかには、 「ですます調」に整えたり、「である調」に直したり。
ケースによっては、何百字以内にまとめてほしいといった要望や、
小見出しをつけたりして、編集といった分野にまでかかわることだってあります。
どうですか? けっこう大変そうでしょう。
原稿作成には、当然、締め切りがありますから、
限られた時間の中で、依頼者の要望に応えるように最大限がんばらなくっちゃいけません。
それには、パソコンの入力スピードが必要だし、文章力、センスも求められます。
知らない言葉はまず聞き取れないので、語彙力だってなくちゃだめです。
でも、でも、やっぱり魅力的な仕事なんです。
いろんな分野の、さまざまな人の話が聞けるのって、楽しい!
録音が聞き取りづらくて、何度も何度も聞き直して、
やっと、「あ、何て言ってるかわかったっ♪」っていう瞬間はたまらないし!
専門分野の難しい内容で、ネットでいろいろ調べているうちに、
知識が増えて世界が広がったりする!
なので、かなり大変な仕事でも、やめられないのです。









